差別化戦略を採用した場合のリスク

ポーターは、差別化戦略を採用した場合のリスクについて、以下のように述べています。

差別化戦略を採用した場合のリスク

(1)低コストを実現した業者と差別化を実現した業者との間であまりにコストが開きすぎたため、差別化によるブランディングが難しく、買い手がブランド指名買いをしない。
(2)買い手のニーズが変化し、差別化の要因が買い手に指名されなくなってしまう。
(3)業者間で模倣が乱発し、買い手が差別化と認めなくなってしまう。

コストリーダーシップ戦略を採用した場合のリスク


今日からの3回にわたり、ポーターの3つの競争戦略それぞれを採用した場合のリスクについてご説明します。

今日はコストリーダーシップ戦略を採用した場合のリスクについてご説明します。

コストリーダーシップ戦略を採用した場合のリスク

(1)技術の進展により過去の投資や習熟が無駄なものとなってしまう。
(2)新規参入者や業界の競合などが、模倣に成功したり、優れた生産設備を導入するなど、低コストを実現してしまう。
(3)低コストを実現するあまり、製品やマーケティングの改良に目が向かなくなる。
(4)インフレでコストが上昇し、低コストの実現が困難になる。

ポーターの「競争戦略」まとめ

前回までマイケル・ポーターの「競争戦略」3つの戦略の概要について説明してきましたが、もう一度以下に要点をまとめます。

ポーターによれば、「競争戦略」には、以下の3種類があり、企業はそのいずれかを選択する必要があります。

(1)コストリーダーシップ戦略:他社よりも1円でも安いコストで製品を作ることによって自社の競争力を高める戦略

(2)差別化戦略:自社の製品・サービスを他社の製品・サービスと差別化することによって自社競争力を高めることによって自社の競争力を高める戦略

(3)集中戦略:特定のセグメントに集中して資源の投資を行い、自社の競争力を高める戦略

集中戦略

集中戦略とは、特定のセグメントに集中して、企業の資源の投資を行う戦略です。

特定の買い手グループ、特定の製品、特定の地域などを対象としている点が特徴です。

集中戦略の実行の際には、コストリーダーシップ戦略と差別化戦略で必要とされる資源を特定のターゲットに適合するように組み合わせる必要があります。

また、集中戦略の実行の際には、コストリーダーシップ戦略と差別化戦略で必要とされる組織を特定のターゲットに適合するように組み合わせる必要があります。

差別化戦略

差別化戦略とは、自社の製品・サービスを他社のものと差別化し、他社にはない製品・サービスを実現させる戦略のことです。

差別化には、製品設計の差別化、ブランドイメージの差別化、テクノロジーの差別化、製品特長の差別化、顧客サービスの差別化、ネットワーク・流通の差別化などが含まれます。

差別化戦略実行のために必要な資源としては、

・緻密なマーケティング力
・研究開発能力
・豊富な経験に裏づけされた熟練の独自の組み合わせ

が挙げられています。

また、差別化戦略実行のために必要な組織としては、

・研究開発、製品開発、マーケティングなどの調整
・有能な技術者や科学者など想像力に富む人間をひきつける組織システム

が挙げられています。

コストリーダーシップ戦略


コストリーダーシップ戦略とは、他社よりも1円でも安いコストで製品を作る戦略のことです。

コストリーダーシップ戦略実行に必要な資源として、

・工程技術の熟練
・コストが低い流通システム
・資金力と資金調達力
・製造の負担を減らすための製品設計

が挙げられています。

また、コストリーダーシップ戦略実行に必要な組織としては、

・コスト管理
・統制・責任と権限の明確化
・成果を反映させた報酬制度

が挙げられています。

ポーターの「競争戦略」

ハーバード大学経営大学院教授マイケル・ポーターは、企業が競争で優位に立つためには、

1:  コストリーダーシップ戦略
2: 差別化戦略
3: 集中戦略

の3戦略のうちいずれかを選択しなければならないと述べています。