誰にもできる“競合市場調査”―その5


6. これらの作業がすべて終了したら、収集した情報を分析します。しかし、大切なのはこの後です。というのは情報を基にした次のアクションが重要なポイントとなるのです。

たとえば、価格設定の見直しかもしれないし、マーケティングの専門家を雇うことかもしれません。いずれにせよ、こうしたアクションの積み重ねがビジネスを大きくすることにつながるのです。

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ポーターの競争戦略の応用について

これまでマイケル・ポーターの競争戦略についてご説明してきました。

実存する企業の事業分析をしていると、コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略のいずれかに当てはまることがあります。一般的に、業界のリーダーは規模の経済、買い手の交渉力を活用できる立場にあることから、コストリーダーシップ戦略を採用する傾向にあり、シェア第3位以下の企業は、特定のセグメントについて集中戦略を実施し、ニッチャーとしての戦略を図る傾向にあります。

差別化戦略については、販売・マーケティング手法の差別化も含まれるため多様な展開が見られますが、共通して言えることは、差別化競争力のある企業は、何らかの形で差別化を行いながら、高利益を維持できる仕組み作りを行っているという点です。

企業は、競合他社のビジネスモデルがポーターの競争戦略のいずれに相当するのか注意深く観察し、自社が競合他社に対して優位に立つために何をしなければならないのか明確化する必要があります。

自社の4P、競合企業の4Pに関して詳細なSWOT分析を行った後、市場分析を行い、3C分析を行います。

集中戦略を採用した場合のリスク


集中戦略を採用した場合のリスクとして、以下の3つのケースを説明しています。

(1)広いターゲットを相手にする業者と集中戦略を採用し、絞られた特定のターゲットを相手にする業者とのコストの差が開き、集中戦略によるコスト優位がなくなったり、差別化が薄れてしまう。

(2)絞られた特定のターゲットと市場全体のニーズに差がなくなる。つまり特定のターゲットの特異なニーズが薄れてしまう。

(3)競争業者が絞られた特定ターゲットの内部をさらに細分化してターゲットを絞り込み、そのターゲットに集中戦略を実施し、買い手を奪ってしまう。

コストリーダーシップ戦略を採用した場合のリスク


今日からの3回にわたり、ポーターの3つの競争戦略それぞれを採用した場合のリスクについてご説明します。

今日はコストリーダーシップ戦略を採用した場合のリスクについてご説明します。

コストリーダーシップ戦略を採用した場合のリスク

(1)技術の進展により過去の投資や習熟が無駄なものとなってしまう。
(2)新規参入者や業界の競合などが、模倣に成功したり、優れた生産設備を導入するなど、低コストを実現してしまう。
(3)低コストを実現するあまり、製品やマーケティングの改良に目が向かなくなる。
(4)インフレでコストが上昇し、低コストの実現が困難になる。

集中戦略

集中戦略とは、特定のセグメントに集中して、企業の資源の投資を行う戦略です。

特定の買い手グループ、特定の製品、特定の地域などを対象としている点が特徴です。

集中戦略の実行の際には、コストリーダーシップ戦略と差別化戦略で必要とされる資源を特定のターゲットに適合するように組み合わせる必要があります。

また、集中戦略の実行の際には、コストリーダーシップ戦略と差別化戦略で必要とされる組織を特定のターゲットに適合するように組み合わせる必要があります。

差別化戦略

差別化戦略とは、自社の製品・サービスを他社のものと差別化し、他社にはない製品・サービスを実現させる戦略のことです。

差別化には、製品設計の差別化、ブランドイメージの差別化、テクノロジーの差別化、製品特長の差別化、顧客サービスの差別化、ネットワーク・流通の差別化などが含まれます。

差別化戦略実行のために必要な資源としては、

・緻密なマーケティング力
・研究開発能力
・豊富な経験に裏づけされた熟練の独自の組み合わせ

が挙げられています。

また、差別化戦略実行のために必要な組織としては、

・研究開発、製品開発、マーケティングなどの調整
・有能な技術者や科学者など想像力に富む人間をひきつける組織システム

が挙げられています。

コストリーダーシップ戦略


コストリーダーシップ戦略とは、他社よりも1円でも安いコストで製品を作る戦略のことです。

コストリーダーシップ戦略実行に必要な資源として、

・工程技術の熟練
・コストが低い流通システム
・資金力と資金調達力
・製造の負担を減らすための製品設計

が挙げられています。

また、コストリーダーシップ戦略実行に必要な組織としては、

・コスト管理
・統制・責任と権限の明確化
・成果を反映させた報酬制度

が挙げられています。